明けましておめでとうございます。
令和8年、新しい年が始まりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今年の干支は「丙午(ひのえうま)」ですね。
歴史を紐解くと、60年前の丙午の年は、古い迷信の影響から出生率が大きく下がるという出来事がありました。
今振り返れば不思議に感じるようなことでも、当時はそれが多くの人々にとっての切実な不安だったことが伺えます。
そして現代、再び巡ってきたこの年に、私たちはまた別の、目に見えない不安の中に立っているのかもしれません。
世の中に目を向ければ、相反するような言葉が溢れています。
「日本はこれから再び輝きを取り戻す」という希望に満ちた声がある一方で、「社会の仕組みが変わり、私たちが大切にしてきたものが失われていくのではないか」という、どこか他人事ではない危機感も聞こえてきます。
正解のない問いが錯綜し、どちらを信じればよいのか迷ってしまうような時代。
そんな大きな波の中で、私たちのような小さな活動体にできることは、本当に微々たるものかもしれません。
しかし、こうした時代だからこそ、私たちはあえて背伸びをせず、目の前にある「小さな営み」を丁寧に積み重ねていきたいと考えています。
国がどうなるか、社会がどう変わるかといった大きな物語に一喜一憂するのではなく、今、自分の足が触れている土の感触や、共に過ごす仲間の笑顔、そして四季折々が見せてくれる変わらない自然の美しさ。
そうした「手触りのある日常」を大切に育むこと。
社会の激動を無視するわけではありませんが、不安に心を支配されてしまうのではなく、まずは自分の身の回りを整え、心穏やかに学べる場を守り続ける。
そんな謙虚な歩みこそが、結果として、何が起きても揺らがない自分自身の「根っこ」を育ててくれるのではないかと感じています。
丙午の年に、かつての人々が不安を抱えたように、私たちもまた、時代の節目に立っています。
けれど、60年前の不安が時とともに形を変えていったように、今私たちが感じている戸惑いも、いつか「あの時があったから、今がある」と思えるような、新しい学びの糧にしていけるはずです。
令和8年。
私たちはこれからも、驕ることなく、けれどもしなやかに、この場所で皆さんと共に歩んでいきたいと願っています。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

令和8年元旦 静岡県浜松市遠州灘にて
