「氣」にまつわる話し ~コラム①~

私が富山の置き薬(家庭用配置薬販売)の会社で働いていたとき、医薬品の漢方薬を販売していました。
売っても売っても「効果がない」という反応のお客様が増えるばかりで、信用が得られず、実績は右肩下がりになりこの仕事を辞めようと思ったとき、食養生の先生と出会いました。
「自分の体質に合わない間違った食事をしていたら効かない」と先生は O リングテストを用いて説明してくれました。
販売していた漢方薬では O リングは開かないが、バファリンや白砂糖、コーヒーと一緒では O リングは開いてしまうのです。
また先生は持って生まれた体質により、力が入る食材と力が抜ける食材があることを教えてくれました。
私の体質では、きゅうりやニンジンでは力が抜けてしまうのです。
実際そうなり不思議だと思いました。

その後、東洋医学の本を勉強しました。
本来ならば「氣」だけでなく「陰陽五行」も含めての説明が必要ですが私なりの解釈で「氣」について語りたいと思います。

「氣(気)」という字を使った言葉には2種類の系統があるといいます。

①気になる、気にいる、気をもむ、気を使う、その気にさせる、気が抜ける、気を取り直す、気があう、気にくわない

②空気、病気、気候、正気、邪気、血気、生気、気力、気脈、気絶、気質、元気…etc

①は日本語的な使い方で「こころ」の動きや雰囲気など感情的なものを表し、これに対し②は中国由来の言葉が多いそうです。

どちらかというと目に見えないものを表す言葉に多く使われています。

東洋思想では、人の肉体は器であり、そこに宇宙のエネルギー 氣≒が入っているから生きている。
赤ん坊としてこの世に生を受けたときは、親から「先天の氣」を受けて生まれる。
その後、先天の氣はどんどん減っていく、だから外から氣(後天の氣)を入れる(水、空気、食物、自然、愛・・・)そして氣が入り出て、めぐることで人間は生きている。
氣がなくなってしまうことが肉体が死ぬことであると理解しました。
O リングテストの反応は、食物の持つエネルギー 氣≒(気)が人体に作用しているのだとわかりました。

気の役割は各組織及び機関の機能を強化させ、生命活動を充当するエネルギーで、疾病から人体を保護する防衛力であり、代謝を統括調節するエネルギーであります。

気が不足すると、滋養力が落ち、無気力になり、疲労倦怠を感じ話をするのも嫌になり話をしても言葉に力がない。
呼吸が荒く息切れがして、少し動いても汗が滝のように流れ、消化排尿がすっきりせず、性機能も落ち常に頭がぼーっとしてめまいがします。

氣を体に取り入れる方法として、自然から取り入れる、朝日の中の散歩、日光浴、新鮮な空気を取り入れる、新鮮な食材、旬の食材をとると良いそうです。
この頃は、森林浴やパワースポットめぐりが人気です。
そこにいるだけで氣(エネルギー)が補充されるというところです。
そういうところは自然豊かなところが多いと思います。 

私は、大人も子供も家族で参加するファミリーフィッシングクラブをかれこれ11年運営しています。
ガチの釣り目的というよりは、家族や仲間と同じ場所、同じ時間を過ごす、そういう場を提供しています。
目的のもう一つは氣の補充です。
海の氣と陸の氣が合わさる海岸にいるだけで、日常生活、ストレス社会で消耗した、氣を補充することができます。

人間関係のなかで、氣を使わせる人がいます。
生きているだけで氣はどんどん減っていくというのに、更に氣を使わせるのです。
そういう人と接して、氣を使ってしまったら、しっかり氣を補充しないといけません。
元気のない人(例えばうつ病)に元気を出せというのは酷なのです。
外から氣を入れてあげることが先です。

置き薬で「補氣」という言葉を学びました。
「補氣」とは「もとに戻す力」という意味があります。
人が本来もつ「恒常性」≒ホメオスタシス≒健康を保ち、病気を自ら治す力です。
自己修復力、自然治癒力とも言います。
自然農作物を食べ、添加物まみれの食品を避け、日本食中心の生活をすることが、欧米で注目されていますが、そのような生活が氣を満たして、健康を維持し、病気を自ら治す力を得ることだからではないかと思います。
周りに「元氣」をわけてあげることのできる人になれるよう、まずは自らに氣を満たすことから取り組もうと思うこの頃です。


参考文献
「東洋医学を知っていますか」三浦於菟著
「からだは蘇る」趙明黙著

身長155センチの昭和生まれ。登録販売者。体質別摂生法指導員。食養生の個別カウンセリングを行う傍ら、ファミリーフィッシングクラブを運営し、特定非営利活動法人 OneFamily 監事を務める黒鯛釣り士。その正体は一級小型船舶操縦免許を持つペーパー船長。

shikiyugakushaをフォローする