日本人の世界観を表す「木漏れ日」という言葉

言葉

日本人が何気なく使っている言葉「木漏れ日」、日本人なら誰でもその意味を知っていて、それをイメージすることができます。そしてそのイメージは季節ごとに違うこともわかります。
木立(こだち)の隙間から日の光がこぼれる様子を眺めると、穏やかな気持ちになり力が抜けて落ち着く感じがします。


それは自然を愛して、四季の移ろいに密着して生きてきた日本人だから当たり前のように感じることができることですね。

ところで木漏れ日という単語は英語にはありません。それで文章で表現することになるのですが、調べてみると…、
sunlight filtering through the foliage(葉をろ過している日光)
dappled sunlight(まだらの日光)
Sunlight that filters through the leaves of trees.(木の葉をろ過する日光)
sunbeams streaming through leaves(葉を通しての太陽光線)
sunbeams through the trees(木を通しての太陽光線)
sunlight filters through the trees – the interplay between the light and the leaves.(葉をろ過している日光-光と葉の間の相互作用)
となりますが、どうもしっくりきません。

そんなこともあってか、
Komorebi creates a pleasant ambiance for a walk through the woods and generates feelings of awe.(木漏れ日は、森の中を散歩する際の心地よい雰囲気を作り出し、敬い感情を生み出してくれます。)
こういう意味を持つ単語として「komorebi」を追加するという動きもあるようです。 

こうした日本にしかない、日本人にしか感じられない繊細さを持つ言葉があることを知ると、日本語を、日本文化をもっと大切にしたくなりますし、その礎があってこそ海外との交流が有意義なものになるのではないかと改めて思います。