新年明けましておめでとうございます。
皇居では、元日の1日には新年祝賀の儀が執り行われ、本日2日には一般参賀が行われたようです。
ご皇室の弥栄をお祈りいたします。
そして、昨年お世話になりました皆さまに感謝申し上げます。
さて、今年令和7年の干支は「乙巳(きのとみ)」
乙巳の年は、東洋思想において、成長と変革を象徴する年とされています。
植物が芽を出して成長し、やがて実を結ぶように、私たち一人ひとりの内なる力が開花し、新たなステージへと進む時が来たと言えるでしょう。
しかし、同時に、この年は「伸び切った枝葉を糧にして、業火が起こる年」とも言われています。
これは、これまでの成長が必ずしも良い結果をもたらすとは限らないことを示唆しています。
実際、昨年、世界は激動の年でした。
イスラエルの侵略戦争、北朝鮮のロシア派兵、韓国大統領の戒厳令発令、シリアのアサド政権転覆、トランプ大統領の当選。
今年も引き続き世界的に大きな変化が予想される中、私たちが求めるべきは、単なる成長ではなく、健全な成長であり、そのために必要なのは、道徳心や誠実さといった人間としての根源的な力だと考えています。
現代社会は、便利で豊かな一方で、様々な問題を抱えています。
心の病、人間関係の希薄化、道徳心の低下など、これらの問題は、私たちが本来持っている日本人らしさや誠実さを損なう原因となっています。
なぜ、このような状況になってしまったのでしょうか。
それは、私たちが、目先の利益や効率性を追い求め、心の奥底にある大切なものを忘れてしまったからだと言えます。
戦後の教育によって、忘れるように仕向けられたと言っても過言ではありません。
天孫降臨の神話を持つ日本人は、古来より自然と共に共存してきました。
「八百万の神々」という言葉は、森羅万象、すべての存在に神が宿るという、慈愛に満ちた世界観を意味します。
草木、動物、そして私たち人間を含め、この世のあらゆるものに神が宿り、互いに尊重し合うという、世界的にも稀な独特の宗教観と言えます。
この考え方は、縄文時代から連綿と受け継がれてきた私たち日本人のDNAに深く根付いています。
近年、世界を支配していたグローバリズムがその限界を迎え、世界中で多様な価値観が再評価されています。
一部の富裕層によって形作られた画一的な世界観は、もはや世界中の多くの人々に共感を得られなくなり、人々は、自分たちのルーツや伝統文化に目を向け、多様性を尊重する社会を求めるようになっています。
ところが、残念ながら日本人だけがその気づきを得られていない状況です。
現代に生きる私たちは、独自の文化や歴史を誇り、それを未来へと繋いでいく使命を本来担っています。
特に、慈悲の心、調和を重んじる精神といった、日本人の伝統的な価値観は、今の時代にこそ求められているものと言えるでしょう。
私たちが持つ「天尊降臨」の思想、つまり、すべての存在を尊重し、慈しむという心は、まさにこれからの世界が求めている普遍的な価値観です。
殺伐とした現代社会において、日本人が持つ「和」の精神は、人々の心を癒し、新たな共生のあり方を提示する光となることができるでしょう。
そのために私たちは、日本の伝統文化に触れたり、自然と触れ合ったり、地域社会に貢献したりすることが必要だと考えています。
日本人の美徳である誠実さとは、正直で嘘をつかず、約束を守ることを意味します。
誠実な人々は、周囲から信頼され、良好な人間関係を築くことができます。
企業においては、誠実な企業は顧客からの信頼を得て、長期的な成長を実現することができ、また、政治においては、誠実な政治家は国民からの支持を集め、安定した政治を実現することができます。
誠実さは、社会全体の信頼基盤を築き、人々が安心して暮らせる社会を実現するために不可欠です。
日本がこの数十年間、衰退の一途をたどったのは、長い歴史の中で連綿と受け継がれてきた日本人としての心を失ったためです。
私たちが子どもたちにいの一番に教える「正直で嘘をつかず、約束を守ること」を社会を動かす人間が放棄しているのだから、国が衰退していくのは当然のことです。
そして、それを正すとして人々を集め、カネを集めた組織の代表が実は不正直者で、自らとその組織に対し献身的に働いた方が自死しても、その事実に向き合わないのだとしたら、これほど罪作りなことはありません。
人として最も大切な誠実さを欠いた人間は、口先だけでいかに美しい言葉を並べようとも、行動と実態が伴わなければ、それは詐欺的行為であり、愛国者を欺いた分、悪質極まりないと断罪せざるを得ません。
私たちは、この世の中には日本人の想像をはるかに超える不正直者がいることを認知し、人間の本質を見抜く目を養わなければなりません。
人を欺くことで立場と権力を手に入れ、国からの交付金を受け取る独裁組織が現存する社会は健全とは言えません。
子供たちの未来を守るために必要なのは、国民一人ひとりが誠実さを取り戻し、健全な社会に戻すことであると、年頭に述べておきたいと思います。
令和7年元旦 浜松市遠州灘にて